Avaaz流:問題への取り組み方
技術を利用し、すばやく柔軟に
かつて国際的な市民団体や社会運動が変化をもたらすには、ひとつの問題に対し、年ごと、そして国ごとに、支援を広げて行かなくてはいけませんでした。新たなテクノロジーのおかげで、またグローバルな相互依存の高まりを受け、今日そうした制約は過去のものとなりました。国別のスタッフ、予算、意思決定、という形のネットワークで、特定の課題の解決を目指す国際市民団体がある一方で、Avaazでは、たった一つのグローバルチームが、社会的関心の高いあらゆる問題に取り組んでいます。そのため、たぐい稀な規模とスピード、柔軟性でもって、キャンペーンに注力することができるのです。
オンラインコミュニティ、Avaazは、新たな問題へ人々の注目を集める「拡声器」です。市民の間に広がる懸念を、もっと具体的で的を絞ったキャンペーンへと誘導・集約する「避雷針」でもあります。予期せぬ緊急事態に出動し、迅速かつ効果的に対応する「消防車」でもあり、また必要とされる緊急支援を提供できるよう、柔軟に援助の形や手段を変化させていく「幹細胞」でもあります。
メンバーが決める優先事項と権限
Avaazでは毎年、全メンバーを対象とした投票を通じ、取り組む課題の優先順位を決定します。また毎週無作為に選ばれたメンバー1万人を対象に、さまざまなキャンペーンのアイデアについてフィードバックしてもらい、反響の大きいアイデアのみをキャンペーンとして形にします。 メンバーによる賛同が得られたキャンペーンは、その後数日もしくは数時間以内に、世界中の大勢のAvaazメンバーに配信され、いっそうパワフルに展開されていきます。メンバー中心のリーダーシップ
Avaazスタッフは、補佐官が大統領や総理大臣に状況報告を行うように、メンバーの皆さまへのキャンペーンメールを作成します。 キャンペーンに参加するかどうか、読み手が判断するのに必要な情報を、一瞬で伝えなくてはいけません。それによってキャンペーンは大きく左右されることになるのですから…その瞬間が有意義なものとなる方法を見出すことが、スタッフのミッションです。メールを受け取った世界中の皆さまが、次から次へと行動を起こし、重要な問題に真の変化をもたらすことができるよう取り組むのです。スタッフはパートナー団体や専門家らと連携し、メンバー主導の効果的なキャンペーン戦略を策定、明確かつ説得力ある形でメールにまとめたうえ、メンバー投票を通じ支持が集まると、署名運動や働きかける相手へのメッセージ送信、メディアで意見広告を掲載するためのファンドレイジングを行うなど、必要とされるあらゆる手段で本格的にキャンペーンを展開していきます。
言い換えると、Avaazスタッフが、アジェンダを決め、メンバーに行動を起こすよう要請するのではありません。むしろその反対で、スタッフは、メンバーの皆さまに耳を傾け、一人ひとりが世界に変化をもたらすためにできることを提案するのです。また成功した多くのキャンペーンは、Avaazメンバーからの提案がきっかけでした。メンバーサービスという点において、リーダーシップは不可欠です。より良い世界を築く方法を見出し、伝えていくには、ビジョンとスキルが必要なのです。
危機をチャンスに変える瞬間に注力
問題や活動に取り組む中で、決断すべき瞬間が訪れ、それと同時に大々的な世論が巻き起こり、突如として事態が一変する、という事態が時に生じます。往々にして、そんな瞬間は、長年にわたる人々の地道な努力があったからこそ生まれるものです。けれど実際に変化の瞬間が訪れた際、世論の注目が注がれる中、重要な決断は、どの選択をしたらどうなるかという政治家の認識によって左右されることになるのです。まさにこうした巨大な危機とチャンスの瞬間にこそ、Avaazは行動を起こし、成果をもたらすのです。このような瞬間は、どの国でも、またどんな問題でも、年に1、2度、訪れるかどうかでしょう。けれど世界各国のあらゆる問題に取り組むAvaazには、このような瞬間が週に何回も訪れることがあるのです。
メンバーによる資金提供モデルが守る独立性と説明責任
メンバーから集まった寄付のみで運営するAvaazは、説明責任という民主主義の原則を理念としています。特定の企業や政党支持者が、その目的を達成するためAvaazに働きかけ、キャンペーン内容を変えたりすることはできません。私たちは、政府や企業から資金を受け取らないからです。(Avaazに寄付すべき理由は、こちらからご覧いただけます。またご寄付いただける場合は、こちらからお願いします。)分断されることなく、価値観を共有し共に成長
ムーブメントや連合や団体は、時間がたつにつれ、まとまりがなくなってしまったり、対立する意見をまとめるのに多くの時間を費やしたりしてしまうことがあります。Avaazでは、良識ある人々も特定の事柄について意見が合わないことを踏まえ、メンバー全員の合意を得ようとするのではなく、各自がどのキャンペーンに参加するのか決めるという形をとっています。ただし、Avaazの根底にあるのは、「何よりも私たちは同じ人間であり、お互いに対し、将来世代に対し、そして地球に対し責任がある立場にいる」という価値観です。私たちがさまざまな問題に取り組むのは、この価値観を形にするためです。特定の問題をきっかけにAvaazに参加したメンバーが、その後、次から次へと異なる問題に取り組む姿を、何度も目の当たりにしてきました。それは、私たちが描いた夢が周囲に広がり、賛同を集めているということであり、私たちにとって大きな励みとなります。力を合わせれば、今ある世界と私たち皆が望む世界をつなぐ架け橋を、きっと築いていけるはずです。